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パリ、テキサスの&yのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
5.0
【2014/4/10:HTC渋谷】
カサヴェテス「ラヴ・ストリームス」、ソフィア・コッポラ「somewhere」、これ。同じ系譜上にあると思っている。
久々観たが、自分はとにかくこういう映画が好きなんだな、と再確認しました。今更レビュー書くことに意味があるとも思えないけど、どこを切ってもやっぱり素晴らしく美味だった。
からっぽの存在として登場するトラヴィスは、観客が自己投影するための装置のよう。少なくとも、孤独感と手を取り合ったことのある人なら誰でもすぐトラヴィスになってしまえるのでは。
特に坂道下校シーンが大好き。ゴミ箱につまづいて以降、コップに水が注がれるようにからっぽのふたりが満ちていって、物理的な距離はそのままだけど心の距離は密着し、融和していくあのシーン。たくさんの映画からオマージュを捧げられまくってるけど、そのどれもが未だに越えられてないんじゃないかな、と思う。
ハンターとトラヴィス、ハンターとジェーンを見てると、肉親ってのは本質的にこういうものだと納得させられる。ハンター自身に8mm映像の幸せな記憶が残ってなかったとしても、こういうものだと。しかしまた、その幸せな記憶が残っていても、戻らない関係性もある。ジェーンとトラヴィスのように。
(どーでもいいけどナスターシャさんの顔見るとポランスキー爺さんが浮かんで集中を阻害されて困る。)
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