主人公トラヴィスが徐々に自分を取り戻し、現実を受け入れていくロードムービー。情景が味わい深い。荒涼とした砂漠のように何にもないアメリカの大地と空。
息子をお迎えに行って、歩道でお互いを真似しながら歩く姿は、幸せな気持ちが伝染してくる。
一緒にいることだけが愛ではない。何かをしたり、されたり、目に見えるものは儚くて消えやすい。それでも記憶があれば、感じることができる。たとえいつの日か死んでしまったとしても、きっと愛は残るのだと思った。
ナスターシャ・キンスキーの美しきこと。ジャケットにもなっている振り向き姿は目に焼きつく。