GreenT

グリースのGreenTのレビュー・感想・評価

グリース(1978年製作の映画)
3.5
ノーテンキに楽しい、ハイスクール・ラブコメ・ミュージカルです。

夏休みに恋に落ちたサンディ(オリビア・ニュートン・ジョン)とダニー(ジョン・トラボルタ)。ひと夏の恋と思っていたら、9月の新学期にサンディは奇しくもダニーの高校、ライデル・ハイスクールに転校してくる。不良グループ “Tバーズ”に属しているダニーは照れちゃって、「お前なんか知らねーよ」的な態度を取って、サンディを傷つける。

オープニングのアニメーションと、主題歌の『グリース』が、全く映画の雰囲気に合ってないので、そこで「面白くなさそう」ってくじけないで欲しい!サンディとダニーがそれぞれ男女のグループで「聞かせて、聞かせて(Tell me more! Tell me more!)」と友達にせがまれて、ひと夏の経験を語る歌とか、すっごい楽しいから!

Greased Lightnin' のトラボルタもめっちゃカッコいいし、この映画は珍しく、普通に演劇しているシーンより、歌ってるシーンの方が良い。

普通の演劇のシーンは、とにかく早口でちゃっちゃか進むので、ギャグの「間」を楽しむことができないのがちょっと残念なのですが、それでもタマを打って寄り目になって倒れるトラボルタ、とか結構可笑しい。

ストーリーも、高校生の定番エピソード満載!夏休みの恋、粋がって女の子を傷つけてしまう、スポーツやって女の子の気を引こうとする、ボロ車を改装してレースする、美容学校に行く同級生、生理が来ない!不良同士の抗争などなど盛りだくさんなんだけど、そこらへんはさらっと、あんまりリアルに掘り下げてない。

しかしアメリカの高校生ってこんな大人っぽいのか?!と昔から奇怪に思っていたが、出演者はみんな30代前後。トラボルタは23歳らしいんだけど、オリビア・ニュートン・ジョンなんて29歳らしいからなあ。

しかしサンディのキャラは、なかなか可愛らしい。マジメで普通な可愛い女の子なので、いつもパステルカラーのサーキュラースカートのワンピースに、白いカーディガンみたいな、衣装がめっちゃ可愛い。これで50sのリバイバルが起きたくらい。「これぞ70年代!」って言ってる人多いけど、70年代じゃないよ!フィフティーズだよ!

ダニーは不良だから、こんな品行方正なサンディが好きなんて恥ずかしくて、不良仲間から隠れるようにデートしているところとか可愛い。

高校のダンス・バトルでも、サンディは真っ白なワンピースで可愛く、ダニーはセクシーなピンクのシャツ!で、ダニーはダンスめちゃくちゃ上手いのに、サンディはイマイチなんだけど、そこが初々しくていいんだよね!この2人、釣り合わないのにケミストリーがある。

なんだけど、チャチャというダンス上手い女の子にダニーを奪われてしまうのだが、このチャチャ、こいつは絶対高校生じゃない!(爆)中年のストリッパーみたいだ。ちなみにこの女優さんは、撮影時妊娠していたらしい(笑)

最後は、サンディがダニーのために自分を変える決心をするのだが、このとき “good bye to Sandra Dee” って歌うんだよね。「いい娘の私にさようなら・・・・」なんかこれも泣ける。 “Hopelessly devoted to you” もボロボロ泣いたけど、この歌も良い!

で、卒業式の日のカーニバルで、レザーのタイトパンツをはいて、大変身したサンディが現れるのだけど、私はパステルのサンディの方が好き。

ここの全校生徒のダンスのシーンもなかなか楽しくて、なんだかんだ言いながら観た後気分が上がる映画になっているんだけど、最後、クラスメートに見送られて、サンディとダニーはピカピカの車で空に飛んでいく、ってラストが「これどーいう意味なんだ?」って昔から物議を醸していて、「実はこれ、オープニングでサンディは海で溺れていて、映画は死に際に見た夢なのではないか」という身も蓋もない解釈があってワロタ(笑)
GreenT

GreenT