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地平線がぎらぎらっのnagashingのレビュー・感想・評価

地平線がぎらぎらっ(1961年製作の映画)
2.5
六人の個性的な脱獄囚たちの滑稽な逃亡劇。とにかくタイトルの大勝利。とくに最後の「っ」がすばらしい。我欲に固執する小悪党たちのぶざまでやぶれかぶれな生きざまが集約されている。けれん味とスピード感あふれる演出もたいへんよろしい。まさしく生き急いでいるかのようなバイタリティーに富んだジェリー藤尾のふるまいとぴったり足なみをそろえている。
ラストシーンのロケーションはよく見つけたものだと思う。山を越え、森を抜けたさきのひらけた小高い丘の上に一本だけそびえる枯れた柿の木。『サクリファイス』の木くらいしょぼかったらなおよかったかもしれない。主人公たちの末路もあいまってどことなく崇高さすら感じるのだが、どう考えてもあんなところに宝石が埋まってるはずはなく、汗だらけの泥だらけでたどりついた彼らの必死さが哀しくも笑える。
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