NAOKI

スーパーマンのNAOKIのレビュー・感想・評価

スーパーマン(1978年製作の映画)
3.8
すべては40年前のこの映画から始まった…と言われてます。

この「スーパーマン」がなかったら現在のジャスティス・リーグはもちろんアベンジャーズもなかったはずです。

子供向けのコミックやアニメをビッグバジェットで実写版にする!ルックだけではなくそのストーリーや設定も大人向けに「真剣」に作る…

こうして作られた「スーパーマン」…監督は「オーメン」「グーニーズ」「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナー、音楽はジョン・ウィリアムス!

この映画が日本へやって来た時、おれはガキだったけど「いくらなんでも…」と思ったことを覚えています。
だって日本には「ウルトラマン」とか「仮面ライダー」といった申し分ないヒーロー物をおれたちはすでに持っていたからです。

顔はさらして全身青タイツに赤パンに赤マント…マンガで見る分にはまだいいけど、さすがにこれを実写で見せられたら「バカみたい…」ではないのか?

そんなおれの心配をぶっ飛ばしてくれたのは…

始まるなりのスクリーンから飛び出してくるような立体的な文字とジョン・ウィリアムスのあのあまりにも有名なメインテーマ…
映画館で思わず拳を握りしめたあの興奮…

そしてコミックからそのまま抜け出してきたかのような完璧なビジュアルのスーパーマン俳優クリストファー・リーヴ…
残念ながら事故で車イス…2004年にこの世を去りました…
しかし彼を越えるスーパーマン俳優は未だに現れていないとファンの声…

そして特撮…
映画界にCG革命を起こした「ジュラシックパーク」はこの15年後のことである。

おれの目の前で間違いなくスーパーマンは空を飛んでいた。
遠くの空の彼方からこちらに飛んできて目の前にふわりと降り立つまでをワンカットで見せる。
「いったいどうやって撮影してるんだろう?」
おれは真剣にそう思いました。

ウルトラマンの産みの親…円谷英二はウルトラマンを吊ったピアノ線がどうしても光ってテレビに写ってしまうので…あるときウルトラマンのお腹の方にピアノ線をつけて逆さまの状態でウルトラマンを飛ばし、それを逆さに編集して放映した。人間…無意識に上側のピアノ線を探すのでお腹から下にあるとは思わずピアノ線が消えたと大騒ぎ…天才である。

じゃあこのハリウッドスーパーマンはどうやって飛んでいたのか?
巨大な透明アクリル版にスーパーマンの形をくりぬき、そこにクリストファー・リーヴを嵌め込んで撮影したそうだ。
すげぇ…アナログ合成!

そして…コミックの時は子供たちのヒーローらしく決められたコスチュームのデザインや色合いにも後付けの理由を作らなきゃならなかった…

スーパーマンの前述の赤青コスチュームは赤ちゃんだったスーパーマンが地球に到着した時くるまれていたクリプトンの布から作られた…ということになっていた…だからあの色でめちゃ丈夫!

胸のSの文字にこの時理由付けはなかったが…最近のリブート版ではこれはクリプトン星で[希望]を表す文字で…お父さんなんかもつけてたので家紋みたいなものだと凄い説明をしていた。
いやいやスーパーのSだから…とおれたちは突っ込んで楽しむ。

考えてみると他のヒーロー物の実写版でもそれらの苦しい後付け説明は一種のギャグ要素にさえなってる気がする。

ハルクは変身すると体が巨大化して着てる服がビリビリに破れてしまうがパンツだけは履いてる…エドワード・ノートン版では市場でパンツ買うとき…
「おばちゃん…このパンツ伸びる?」って聞くことでクリアしていた😁💦
いやいやそこまでは伸びないから…とおれたちは突っ込んで楽しむ。

この「スーパーマン」は大人向けとはいえ、そのラストのトンデモ展開には、ガキだったおれたちでさえ「それをやっちゃおしまいだろう?」と突っ込んだ反則スーパー必殺技が出てきて大騒ぎ…

今見たらビックリしますよ…

でもこの映画の成功がなかったら今のDCとマーベルの成功もなかったんでしょうね…

クリストファー・リーヴのビジュアル!今見ても「完璧だ!」って惚れ惚れしてしまいます。
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