YasuhitoArai

牢獄のYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

牢獄(1949年製作の映画)
3.7
イングマール・ベルイマン監督作品。
映画監督マルティンの所に、彼の数学の教師で精神病院を退院したばかりのポールが『この地上の地獄』についての映画のアイデアを話す。その後脚本家のトーマスとソフィのところでマルティンが件の話をすると、トーマスは取材で知り合ったブリジッタの話を始めるが・・・という話。

映画内映画、映画内での話が映像として始まる等メタ的。この世の地獄ということで、生まれた子どもを恋人に殺されてしまったブリジッタや、アル中で恋人と心中しようとするトーマスが出てきたりと暗い話が中心。ブリジッタとトーマスが、二人でスラップスティックの活動写真を観るシーンの多幸感があるけど、それと対比されて、それ以外のシーンの暗さがより際立った。

映像的には、船着き場のシーン、暗い映画スタジオでのたばこの煙等美しいシーンがあった。影により人物が格子の中にいるようなシーンがあった。影が効果的に使われたシーンが多いように思う。
ブリジッタの夢のシーンは、デヴィッド・リンチを連想させた。
YasuhitoArai

YasuhitoArai