デヴィット・フィンチャー初期はあまり好きではないので、この作品もあまりノレなかった。リアルタイムで観ていれば、また感想が違ったのかもしれない。
いま思えば、タイラー(ブラッド・ピット)は、のちの「ジョーカー」にも通ずる、アメリカ人の根底にある悪意を象徴するようなキャラクターであり、ファイトクラブに集う人びとはアメリカ社会の根深い分断を思わせるもので、そういう意味では時代の無意識を切り取っていたのかなと。
サスペンスとしては、中盤になれば仕掛けが見えてくるので、ああアレかと興が削がれる。「〇〇〇〇センス」とか、この手のやつ多かったよね、当時。
LAの雰囲気(ファイトクラブの会場となるルーの酒場とか)はよかった。ちなみにルーの酒場のロケ地は現存しないらしい。