ほ

誰も知らないのほのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.0
是枝監督作品は作り込まれすぎてて苦手だと感じることがあるけど、この作品は子供がメインだからこそ、わざとらしさをほとんど感じることがなくて見やすかった。
むしろ自然な子供の雰囲気を捉えているのがすごい。口頭でセリフを伝える演出方法というのがとても興味深いな…

物の使い方が上手くて、スーツケース、カップそば、マニキュア、カップ麺の容器で育てる植物、コイン、あとは飛行機。
私は特にゆきちゃんがピコピコ音のなる靴を履いて歩くシーンが好きで、子供らしさと虚しさを絶妙に醸し出してた。

YOUはすごくキャラクターに説得力があって、憎めない。紛れもなくひどい親だけど、本当にひどい人とも言い切れない、気持ちはわかる…というやり切れなさ。
「ピーマンの刑」の話をするところがすき。

子供達もみんなよかったけど、やはり柳楽優弥の眼力…!
魅力的なキャラクターすぎて、学校に行けなくてこの子のことを「誰も知らない」なんて辛いなと思った。小学校のクラスメイトにこんな子いたらクラス中の女子が好きになるわ!
でもほんとに「誰も知らない」わけじゃないんだよなあというところもこの作品のミソなわけで、コンビニの女性店員も、大家さんも、男子中学生も、さきちゃんもみんな彼らを知ってるのに、助けられない。現代社会ってこんなものか?というか変におせっかいをしない方がこの子たちにとっては幸せなのか…?いや、そんなことはないよな、終盤の展開は防げたはず、とか色んなこと考えちゃう
ほ