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会社物語 MEMORIES OF YOUのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

会社物語 MEMORIES OF YOU(1988年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

もうクレージー世代にはたまらんですよ!みたいな感想が多いかと思ったら、案外冷静な感想が多く、肩透かし。Filmarksのレビュアーはクレージーより後の世代が多いのかも。
本日(2017.11.20)、劇場は平日のお昼時にも関わらず、かなり混んでいました。

お笑い要素はほとんど無しでシリアス気味だったのがちょっと残念。ドタバタやってくれよ~!もう年か。

西山由美って知らない女優でしたが、凄く美人なのに売れなかった?売れた?個人的には西山由美扮するOLのトレンディ要素は邪魔だと思った。無くても映画になる気がする。当時の映画スポンサーが「クレージーのおっさんだけじゃ映画が話題にならないでしょ~。女の子の恋愛要素入れよう!」で入ったのでは、と思うことにします。イケメンリーマンが専務の娘と婚約って(笑)で、真っ暗な部屋の布団でびーびー泣かれても、知るか!としか思わない。

眼鏡のお局さんが「あの人を好きになってから生きてるって素晴らしいと思うようになった~」的なことを言うが(エンドクレジットでもわざわざ繰り返す)、あれはハナ肇をクレージーに比喩しているのであろうか。クレージーのお陰で日本中に生きる活力・元気を得た人がいます!という。で、若いOLとギロッポンデートさせたのは若い世代にもハナ肇ファン、クレージーファンはいますよ!という労いか。不倫話になるのかと自分はヒヤヒヤしながら観ていた。ハナ肇が西山OLを見つめた眼差しは色恋の眼差しではなく、自分と違う新しい世代に驚いた眼差しだったということか。ハナ肇が会社内で存在感無いのも辛辣。クレージーというかお笑いが実社会ではあまり役に立たないかのような。

無理矢理悲劇をぶちこんでいるような感じもして、そこまでしなくてもという印象も。そう!ジャズライブ本番で息子が家庭内暴力発動したあのシーン!息子、次の日にしろよと思った。そのあと、会社行くというハナ肇も凄いよ。

他の方のレビューにあった「クレージーの終焉と会社勤めの引退が掛かっている」というのには納得。当時、クレージーの面々は後続のお笑い、芸能界をどう眺めていたのだろう。ハナ肇の退職の挨拶(仮)にあった「会社は村社会です。サラリーマンはネクタイ締めた村人です。」は世のリーマン・OLは深く頷く人多いのでは。噂話が好きな田舎もんばっか!ハナ肇はフィリピンで夜、あの女の子抱いたのだろうか?

欽ちゃん、ドリフ、やすきよ、BIG3、とんねるず、ダウンタウン、ウンナン、ナイナイと続々と他界、高齢になっており、お笑いにおけるひとつの時代の終焉を特に感じる昨今。自分なんかがこんなうすら寂しくなるずっと前からクレージーの面々は寂しさを実感、対面していたのか、と思うとやはり先人は偉大なんじゃねぇかなぁと、無闇やたらに畏れ多くなる。

銀座かどっかで植木等が「今の日本を作ったのは俺たちだ!」と街頭で叫ぶシーンがある。ここのシーンは非常に興味深かった。植木等のアドリブだったりしないかしらん。

クレージーの面々がジャズに関しての思い入れやなんかをそれぞれ素面っぽく語るシーンがあるが、谷啓と桜井センリはジャズの蘊蓄が多そうな感じで、面倒そうだと思った(笑)犬塚弘、いかりや長介とやはり長身スケベ顔にウッドベースはカッコ良く似合う!
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