会社物語 MEMORIES OF YOUの作品情報・感想・評価

「会社物語 MEMORIES OF YOU」に投稿された感想・評価

ninjiro

ninjiroの感想・評価

3.9
「よぉ!今の日本は俺たちが作ったんだぞぉ!」
些かくたびれたクレージーキャッツのメンバーとともに新宿の街を千鳥足で歩く植木等が、誰にともなくただ嘗てとは様変わりした東京の夜空に叫ぶ。

グッときた。
本作を観るのはこれで2回目だが、初めて観た時、私はまだほんの子どもだったはずだ。
今改めて観て確信した。これは子どもが気軽に観るような映画ではない。私に初見時の記憶が殆ど残っていなかったのも今なら納得。この強い哀しみ、幾層にも跨る重厚な遣る瀬無さ、ついこの間まで初等教育にすら躓いて泣きべそをかいていた甘ったれの子どもに理解などできる訳がない。これはクレージーキャッツの全盛期を知る、公開当時少なくとも20歳以上の人に向けられたメッセージ。そしてそのメッセージの普遍性は世代を超えて、今の世に大人として社会に立つ我々にも深く突き刺さる。
高度経済成長期の日本の世相を象徴する存在だったクレージーキャッツ。「大きいことは良いことだ」、「モーレツ社員」などという言葉と一緒に、戦後復興期から様変わりしてゆく日本の行く末に差す光のように、その明るさで庶民の心に希望を与え続けた。
70年代に入り、グループとしての華やかな活動は休眠状態に移行し、メンバーそれぞれが個別の活動にいそしむようになった。ちょうどそのころに日本の高度経済成長期は終わりを告げ、徐々に変わりゆく世相はエンターテインメントの世界も同様に様変わりさせてゆく。当のメンバーたちは勿論その後も変わらず押しも押されぬスターであったが、クレージーキャッツという集合体の存在と彼らの残した功績は、早々に過去のものとなって久しかった。
本作が公開された1988年はいみじくも昭和最後の年、昭和63年。かつて東宝のドル箱コンテンツであったクレージー映画で最後にメンバーが顔を揃えたのは1971年であることを考えれば、実に17年ぶりにクレージーキャッツ6人(脱退し、当時既に芸能界を引退していた石橋エータローを含めれば7名)全員が揃って出演。そしてこれがその最後の映画となった。

長年尽くしても、長年愛しても、報われないこともある。かつては「モーレツ社員」と皮肉交じりに呼ばれながらも誇らしく世界と闘った者たちの中には、正直さが裏目に出て家族同様に信じた仲間に疎まれる者、自らの不器用さに絡め取られて浮き上がることも出来ず失意に沈む者、昭和の終わりとともに多くの者は過去の遺物と疎まれて、世間の波に上手く乗れなくなった者は「社畜」という言葉で惨たらしく扱われる。
バブル景気に沸く時代にあって、その時代の流れという残酷さをこれほどまでに明晰に描く映画があったことに驚く。かつての世代のスターたちの差し掛かる老後を予知させる穏やかで愛すべき姿、そして彼らが唄った「無責任」節を誤認識し、文字通りを真に受けていつの間にか「本当に無責任」な社会を謳歌するようになった時代を見詰める彼らの哀しげな視線が交錯し、本稿冒頭の言葉の意味が実に複雑に、深く胸を締め付ける。クレイジーキャッツという稀有なスターが存在した頃を実際に知る人からすれば、これほど強烈なメッセージはあるまい。
そのメッセージを受け取った当時の世代は、平成という時代がまた終わる時、あの時のハナ肇よりも歳を重ねているかも知れない。時代が違うよの一言では済まされない現実。しかし、同時に時代が移り変わっても変わらないものは確かにある。ラストカットのハナ肇の視線の向こうに、我々は何を見るのか、世代を繋ぐということは、一体どういうことなのか。
当時40歳の市川準による、紛れも無い傑作である。
ま

まの感想・評価

3.5
サラリーマンの大半がこの映画のハナ肇の様に会社を去って行くんだろうなと思う。

人生ってこういう事なんだろうなぁと思わされる作品。自分の未来を見てるようで参った。

最後のバンドのシーンはカッコ良かった。
Kiwamu

Kiwamuの感想・評価

3.0
働き詰めた男の退職間際の物語。

凄く生々しく、華やかというわけではなく
きっとこう終わっていくんだなというのを感じました。

今も昔も全然変わらない社会を客観的に観れた印象。
キレる若者、金持ち守衛、ヤマモトサンカラノプレゼント、

定年前の主人公へ送られる数々のサプライズ。
あらき

あらきの感想・評価

4.5
この時代生きていなかったけれどこの質感の東京の名残りをわたしは知っていて、それがとんでもなく懐かしくて切ない
映像表現で物語をつくるあたりにCMっぽさを感じる、どれも洗練されていた

クレイジーキャッツのメンバーが語り合うシーンがとてもかっこよかった
あと木野花のちょっとくたびれた感じに少しどきっとした
shibamike

shibamikeの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

もうクレージー世代にはたまらんですよ!みたいな感想が多いかと思ったら、案外冷静な感想が多く、肩透かし。Filmarksのレビュアーはクレージーより後の世代が多いのかも。
本日(2017.11.20)、劇場は平日のお昼時にも関わらず、かなり混んでいました。

お笑い要素はほとんど無しでシリアス気味だったのがちょっと残念。ドタバタやってくれよ~!もう年か。

西山由美って知らない女優でしたが、凄く美人なのに売れなかった?売れた?個人的には西山由美扮するOLのトレンディ要素は邪魔だと思った。無くても映画になる気がする。当時の映画スポンサーが「クレージーのおっさんだけじゃ映画が話題にならないでしょ~。女の子の恋愛要素入れよう!」で入ったのでは、と思うことにします。イケメンリーマンが専務の娘と婚約って(笑)で、真っ暗な部屋の布団でびーびー泣かれても、知るか!としか思わない。

眼鏡のお局さんが「あの人を好きになってから生きてるって素晴らしいと思うようになった~」的なことを言うが(エンドクレジットでもわざわざ繰り返す)、あれはハナ肇をクレージーに比喩しているのであろうか。クレージーのお陰で日本中に生きる活力・元気を得た人がいます!という。で、若いOLとギロッポンデートさせたのは若い世代にもハナ肇ファン、クレージーファンはいますよ!という労いか。不倫話になるのかと自分はヒヤヒヤしながら観ていた。ハナ肇が西山OLを見つめた眼差しは色恋の眼差しではなく、自分と違う新しい世代に驚いた眼差しだったということか。ハナ肇が会社内で存在感無いのも辛辣。クレージーというかお笑いが実社会ではあまり役に立たないかのような。

無理矢理悲劇をぶちこんでいるような感じもして、そこまでしなくてもという印象も。そう!ジャズライブ本番で息子が家庭内暴力発動したあのシーン!息子、次の日にしろよと思った。そのあと、会社行くというハナ肇も凄いよ。

他の方のレビューにあった「クレージーの終焉と会社勤めの引退が掛かっている」というのには納得。当時、クレージーの面々は後続のお笑い、芸能界をどう眺めていたのだろう。ハナ肇の退職の挨拶(仮)にあった「会社は村社会です。サラリーマンはネクタイ締めた村人です。」は世のリーマン・OLは深く頷く人多いのでは。噂話が好きな田舎もんばっか!ハナ肇はフィリピンで夜、あの女の子抱いたのだろうか?

欽ちゃん、ドリフ、やすきよ、BIG3、とんねるず、ダウンタウン、ウンナン、ナイナイと続々と他界、高齢になっており、お笑いにおけるひとつの時代の終焉を特に感じる昨今。自分なんかがこんなうすら寂しくなるずっと前からクレージーの面々は寂しさを実感、対面していたのか、と思うとやはり先人は偉大なんじゃねぇかなぁと、無闇やたらに畏れ多くなる。

銀座かどっかで植木等が「今の日本を作ったのは俺たちだ!」と街頭で叫ぶシーンがある。ここのシーンは非常に興味深かった。植木等のアドリブだったりしないかしらん。

クレージーの面々がジャズに関しての思い入れやなんかをそれぞれ素面っぽく語るシーンがあるが、谷啓と桜井センリはジャズの蘊蓄が多そうな感じで、面倒そうだと思った(笑)犬塚弘、いかりや長介とやはり長身スケベ顔にウッドベースはカッコ良く似合う!
emma

emmaの感想・評価

3.8
映画としてストーリーが面白いかって言われたらそうではないけれど、のたーっと進んでいきたまに小さな事が起こって、でもがつんとくる事はなくてって、こういうのが人生だろうし表したかった郷愁なんじゃないかなあ。
自分でも言葉には出来ない何とも言えない気持ちを、しっかり掴み所なく表現している様な気がする。
出演がクレイジーキャッツというのも大きな要因。
ハナ肇やはりいい。

東京商事のジャズ好きのサラリーマン達であると同時に、クレイジーキャッツとしてジャズを愛してきた彼らそのものであって。語らうシーンは自然と泣いてしまった。
80年代の東京や家族、人々の雰囲気がどのカットからもじわーっと伝わってくる。
サラリーマン、愁いとジャズ、そして東京。そろってる。
懐かしい気持ちに涙をにじませたい時にはとてもいい映画。
kamakurah

kamakurahの感想・評価

3.0
NHKで放映中の植木等、小松政夫のドラマに呼応させる形でラインナップに載ったかと思われる市川準の佳作をWOWOWで、29年ぶりに再視聴。話の中身より往時の風景、風俗、チョイ役出演の現在の有名どころが胸に迫る一本。自分自身が定年退職して鑑賞すると、思いも一入。古びてない作品数多い市川スタイルも本作では懐かしい雰囲気。ラストの所謂「積木くずし」風シーンがかえって作品を古びさせている。
クレイジーキャッツは演歌じゃなかったなぁと振り返ると感慨深いものがある。
みー

みーの感想・評価

2.6
ラストの演奏かっこよかった!
ただ内容はピンとこず、途中でうとうと。

トニー滝谷がドハマリしたので、チェックしたけど少々長く感じた。
riekon

riekonの感想・評価

3.0
市川準監督作品なので観てみました。クレイジーキャッツ全員集合だね。
ジャズバンドを組んで演奏するシーンは皆さん楽しそうでカッコ良い!
素敵なおじさま達。
ハナ肇演じる退職まじかの会社員が寂しげでなんとも言えない。
主人公と昔付き合ってたのかな?木野花さん演じる会社の同僚がさりげなくていいのよねぇ。
イッセー尾形のシーンは面白かった。
息子は大丈夫なのかな??
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