このレビューはネタバレを含みます
市川準監督のラストオブクレージーキャッツ
2011年9月19日 19時04分レビュー。
1988年、松竹作品。脚本監督市川準。
市川準でみてなかった作品。大好きなクレージーキャッツのラストに近い全員フル出演の映画、オマージュ映画、松竹作品。
物語は、
ハナ肇扮するタチバナさんが退職する。おもしろくもなく、単調、窮屈、めまいがしそうな会社に勤めてきた最後の退職日らへん。
1人の女子社員と出会い、それは自分の好きなジャズの演奏会へと話は繋がる。
イヤー脇を固める方々がまあ、今やそうそうたる「脇役」ばかり余貴美子、酒井敏夫、木の花、岩松了、すまけい、笹野高史 とかなり豪華な劇団のそうそうたる方々がでています。必見。
そして市川準監督「トニー滝谷」で主役にまで登ったデビュー作「BUSU」から出演しているイッセー尾形さんもでています。
ある意味ハナ肇さんの素晴らしく哀愁あるメモリーオブ退職話なんですが、
少しラストの演奏会部分でクレージーキャッツのハナの顔が出ちゃいますよね。
それが若干ギャップがやっぱり出ちゃうんですが、
全般的に市川準のそのまんまな窮屈、退屈な会社を色濃く市川テイストに描いた映画でもあるかなと思いました。
ラストのクレージーキャッツの往年の演奏は、ファンなら必ず聞いて欲しい所!
飲み屋の自然なシーンが
やはり会社物語からクレージーキャッツにすり替わり、
メモリーオブクレージーキャッツになってしまうオマージュな記念碑的演出
リスペクトなのか?小林明の「渡り鳥」シリーズが写ります。
ある意味
クレージーキャッツのラストオブクレージーキャッツに大変相応しい作品だったなあと思います。
が、誤解なしにかつてのクレージーキャッツ映画よりもかなり、テイストは、暗いです。
市川監督自分の処女作私のお気に入り作品「BUSU」を揶揄した台詞をいわしたりしています(笑)
市川監督がまさしく老いたクレージーキャッツのそのままを、まさしく引退していく会社人間にしたてて、哀愁ある最後のクレージー全員出演映画です。
こういうセンスをしっかり実現したまさしく「奇跡」的フィルムでもあります。
白髪まじりのクレージーの演奏は、たしかにジーンときますよ。
これをフィルムにおさめた、市川準の感覚、センスが、やはり素晴らしい!
素晴らしい日本のコメディアンであり、ミュージシャンであります、クレージーキャッツは、、、ハナさんのドラムソロ必見。
さて
市川監督のラストオブクレージーキャッツ、
クレージーファン、植木等ファンは、ぜひ、、。
最後の会社物語是非ご覧ください。
追伸
松竹でハナさん主演のまじめコメディ路線の映画が、ありましたが、それにもなにやら、敬意がこもっているような気がしました。「馬鹿がタンクに乗ってやってくる。」とうとう。