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悪魔が来りて笛を吹くのフライのレビュー・感想・評価

悪魔が来りて笛を吹く(1979年製作の映画)
3.5
横溝正史傑作ミステリーの一つだが、今も昔も金田一耕助シリーズは市川崑監督、石坂浩二主演のイメージが強すぎて中々払拭出来ないものが有るが、今回数十年振りに改めて本作を鑑賞すると結構味わい深い作品で楽しめた。
本作の醍醐味はなんと言ってもかなりエグい禁断の愛と因縁が事件に結び付く悲しいストーリーだが、そこに悪魔を絡めた内容と美しく不気味なフルートの音色がとても良い雰囲気を醸し出していて楽しめる作品。更に帝銀事件と言う実際にあったとんでもない事件が一部モチーフにされているが、今年ドラマを観ていた事もあり余計楽しめた。ラストの金田一の台詞は事件を一過性のもとして捉えてはいけない奥深さを感じさせてくれた事もあり感動した。
キャスト陣はかなり豪華だが、当時違和感のあった西田敏行の金田一耕助も愛嬌と飾らない雰囲気に好感が持てて昔程悪いイメージは無かった。
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