マリーは友達のアレックスの家にお泊まり受験勉強会へ行く。
だがその夜、謎の殺人鬼が家に侵入。
アレックスの家族を1人ずつ血祭りに上げていく。
アレックスは殺人鬼に捕まってしまうが、マリーは彼女を助けようと孤軍奮闘する…
「ピラニア3D」「クロール-凶暴領域-」のアレクサンドル・アジャ監督の出世作。
フレンチホラー四天王の一角。
四天王は「屋敷女」のみ鑑賞済みで、本作もグロいのかと警戒&期待したけれど、本作はグロさ怖さでは四天王の中で最弱…かもしれない。
ストーリーは非常にシンプルで、劇中のほとんどが殺人鬼と主人公の一対一の攻防が描かれる。
殺人鬼は何の変哲もないモブ顔のオッさんなのが気味が悪い。
つまらなくはないが捻りが無い脚本だな、と思ったら、クライマックス前に衝撃のツイストが！
それは驚きだったし、そこからの展開も面白かった。
しかしそこに入るまでが長く、その衝撃の展開だけの一発ネタのような印象も感じなくはない。
よく見ると、さりげない伏線は貼ってあって丁寧な作りなんだけど、なにぶんさりげなさ過ぎて、伏線と分かりづらい所も。
オープニングに至っては、「バニシング・ポイント」と同じ完全な嘘で、フェアなトリックではない。
言うほど「ハイテンション」な作品でもない…と思ったが、「ヒャッハー！」な意味で「ハイテンション」と言うのは和製英語だそうな。
ネイティブの「High-tension」(原題はフランス語なので「Haute tension」)の意味は、「極度の緊張」。
常に殺人鬼と隣り合わせ、綱渡り状態のハラハラ感は確かにHigh tensionだ。
フレンチホラー四天王！名作！とハードルを上げて鑑賞すると、拍子抜けするかもしれないが、よくあるB級ホラーだと思って油断してると、強烈なフックをマトモに喰らう、そんな作品。
