乃木介

メタリカ:真実の瞬間の乃木介のレビュー・感想・評価

メタリカ:真実の瞬間(2004年製作の映画)
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METALLICAのメンバー遍歴を知っていれば面白いと思う。

そして3分くらいしかないけど、20年ぶりにデイブ・ムステインとラーズが対話するシーンは見る価値あると思う。個人的にここが一番価値があった。

デイブ自身も「俺はドジを踏んだ」「当時の俺に断酒会に行けと言いたい」と言っているとおりデイブの肩を100%持つわけではないけど、デイブが自身の苦しみと劣等感をラーズに穏やかに、でもストレートに話す姿は、苦しみに20年間向き合い続けたからこそのものに見えます。達観しているというか。

印象的だったやりとりは、ラーズの「お前に対して罪悪感はある。でも理解できていないことがある。お前の20年間の苦しみは全てMETALLICAのせいなのか?」に対して、デイブはお前は何もわかっていないな、とでも言いたげに「ふっ」と笑ったシーン。

「俺は世間から嫌われた。道を歩いているとMETALLICA!!!とバカにされる。」とデイブ。

世界中に「METALLICAに解雇された男」と認識され、そのMETALLICAの曲がラジオから毎日のように流れてくる。MEGADETHとしてインタビューを受ける時も、毎回のようにMETALLICAの話を振られたはず。

ラーズは目を赤くしながらデイブの話を聞いて、METALLICAの影響力の大きさと、それがムステインを苦しめていたことにようやく気付いたんだと思う。

でもデイブから恨んでいる様子は感じず「一緒に葉っぱを吸ったあの頃が恋しいよ」という穏やかな感情を抱いているように見えた。この対話をフルで見るとデイブは"All I had was my mom. All I had was you, and James." "I wish Cliff was here."とも言ってました。デイブは本当にMETALLICAが好きだったんだなぁ。

この対話の後、ラーズが「息子がMEGADETH好きでさ」と言いながら、デイブと談笑するThe Big Fourツアーに繋がっていくんですな。

そして、デイブとは別のところでMETALLICAの大きさに苦しんでいたのがジェイムスというのもよくわかる作品。

他は、、、
・ラーズの自己主張の強さは予想通り
・ジェイムスが繊細で甘えたで予想外
・カークいいヤツ
・トゥルージロすごいタイミングで入って大変ね

こう見ると、1つのバンド内にリーダー格がジェイムスとラーズの2人、さらに結成時にはデイブを含めた3人のリーダー格がいたことになる。バンドって難しいですわな。
乃木介

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