とびん

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのとびんのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

うる星やつらの劇場映画。
無邪鬼という鬼の力によって、ラムの夢の中に閉じ込められたあたる達が、夢を抜け出すために奮闘する話。

映画としては面白かったと思う。
ただ、これは『うる星やつら』ではない。

あたる達は出てくるけれど、キャラのセリフや行動が、全く一致していないし、そもそも『うる星やつら』が求めていたドタバタコメディから逸脱している。
高橋留美子が「大嫌い」と言っていた理由がとてもよくわかった。

例えば、ハーレムの夢の途中で諸星が、「俺はラムに惚れている」というセリフを放つが、あたるはそんなこと言わないと思う。
仮にそれを思っていたとしても、言えないのよ。
ラムのことを好きだけど、ここまで来たらそれを認めるのも恥ずかしい。
女の子のことは大好き、でもラムに関しては小学生のような心を持っているのよ。

現に、ラムが宇宙の実家に帰ったときも、ラムの人形をボロボロにするほど抱きしめていたけれど、実際ラムが帰ってきても、つんけんしちゃうのよ。

もし、あたるが、ハーレムの夢を見るんだとしたら、そのまま見続けると思う。
で、時間が経つにつれて、ラムの大切さに気付くんじゃないかなあ。
それくらい感情に素直なキャラなのよ。

あと、最後にラムにキスするシーンもあるけれど……。

そんなことあたるがするかなあ……。
想像つかないのよね。

全体的に、押井守節は強かった。
押井守は嫌いじゃないんだけどね。
でも、これはうる星やつらではないよ。というか、高橋留美子ファンとして、あまり認めたくないなあ。

ラムが、スイカを水で冷やしているカットは印象的だった。
いい夢を見てるんだな、と伝わった。
とびん

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