恋人が多発性硬化症(MS)という難病になってしまう話。
仲間とサッカーをして毎日酒を飲みまくる様なごく普通の男が突然手足が痺れ、視力が低下し、松葉杖が必要になったら周りはどう接するだろう。
脚本家の実体験ということもあり、難病をただの泣ける綺麗なストーリーで終わらせない。人間味と自然さがとても良い。
多発性硬化症・・・馴染みのない病気だけど実は未だに原因が不明な上、治療法もないんだとか。視覚障害、歩行障害、感覚障害、運動障害、排尿排便障害が主な症状で、末期になるとほぼ認知症と同じだそう。
再発と寛解の繰り返しらしく、本作では忠実に段階をなぞっていた。
主演は若きロバート・カーライル。1994年「司祭」ではかわいいゲイを演じ、1996年「トレインスポッティング」でクズ野郎を演じ、その2作の間で本作の難病を演じる。今まで気づかなかったけど凄い役者だね!
彼同様に相手役のジュリエット・オーブリーの演技もとんでもなく上手い。難病の彼氏を献身的に診てあげながらも、自らは浮気をして精神を保つ。ただの“優しくも気疲れした彼女”ではないのである。
題材が題材だけに一見重い話に感じるけどこれが意外とそうでもない。(号泣したけど)
むしろ下品で人によっては不快な下ネタだらけで、イギリスの労働者階級だということを表している。
使われている音楽も素敵だし、「レナードの朝」「レインマン」に続き最高のダンスシーンに出会えた。
原題のままなのが良いね。
マイケル・ウィンターボトム監督の映画これから見ていこう…