バイオレンス性に定評のある北野作品の中でも毛色の異なるコメディ作品。終始笑いが脈絡なく流れ、笑いで全体が覆われている。
自分には北野のお笑いが肌に合わなかった。意図的に笑いを取ろうとするその考えが自分の好みに合わない。それだけでなくお笑いに関して門外漢で、お笑いへの関心が低いこともこの作品にハマらなかった理由の一つである。
わざとらしい演技を繰り広げて笑いを取るお笑いが好きではない。日常の中で何気にボソッと発した言葉によって笑いが引き起こるのが、自分の中での笑いである。読者の関心を寄せようと意図ありげのギャグは寒い。少し自分の期待していた笑いと乖離していたのが残念だ。