クリムゾンキング

飛行士の妻のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

飛行士の妻(1980年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

自分の彼女が元カレとヨリ戻そうとしてるかも!と心配な恋愛経験浅そうな学生のフランソワが町で偶然元カレと謎の女性を見つけ、たまたま公園で出会った少女リュシーと探偵よろしく尾行する。

ロメール印の拗らせ系男女が織りなす恋愛物語。

「緑の光線」でイタイ主人公を好演したマリー・リヴィエールが今回も自己中女を演じきっている。

主人公の恋愛耐性が低いせいで「お前それ絶対遊ばれてるやつ」と観た誰もが思う状況でさえ「そんなことないもん!僕ら深く愛し合ってるんだもん!」と直向きに彼女を信じる姿は清々しいほど。

年下彼女リュシーに行くかと思いきや実は彼女もちゃっかり彼ピッピがいてフランソワ踏んだり蹴ったり。いつかいい娘見つかるって、、、

尾行や張り込みなど探偵ものの要素も少しあって構成的にも観ていて面白いけどなんといっても、映画の大半が何の実りもない会話で占められてるにも関わらずまったく退屈せずに観られるのはさすがロメールマジック。

中身というよりも会話のテンポ、絶妙な間、公園やカフェなどの雰囲気や光源の温かみなどすべてが心地よく感じる。
今回のアパルトマンはほかの作品と違ってあんまり魅力を感じられなかったけど、パリの街並みや公園の自然などロケーションも素晴らしく、それだけでも観ていて面白かった。