綾

ジョゼと虎と魚たちの綾のネタバレレビュー・内容・結末

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『横道世之介』を観て 良い邦画をもっと観たいなぁと思ったため、大学の講義でも取り上げられた本作を。原作は既読です。

人間の本質というのか、心の根底に隠されつつも確かに在る本音というのか、上手く言えないけど、人間の、そういう弱く汚い部分が鋭く描かれていて、なんだかずっと心許なかった。

香苗や、“逃げて”別れを選択した恒夫の心情は、決して理解できないものではないからこそ、常に諦念を持ち合わせているジョゼを見ていて、やるせなさが募りました。

大学では福祉学専攻で、ふとした時に感じる違和感というか、上手く消化しきれない葛藤というか、自分の中にある、言葉にできない小さな矛盾を、ぎゅっと濃縮した存在が、香苗だと思いました。
「見学しに来た」と言う香苗には、福祉云々以前に人としてどうなんだ、とさすがに憤ったけど、香苗の全てが、私も含め、誰しも持ち得る人間の本質なんだろうなとも。

なんかめちゃくちゃな文章を書き殴ってしまった…(笑)

洗練されて情緒的な原作も、良質な青春ドラマに仕上げた映画も、どちらも良い。
ジョゼと恒夫の恋愛は、見ていて胸がいっぱいになりました。
「なんか俺泣きそうだわ」に全てが詰まっていた。とても印象的な台詞。

妻夫木聡と池脇千鶴は、相変わらず魅力的だなぁ。
綾