TS

サマーウォーズのTSのレビュー・感想・評価

サマーウォーズ(2009年製作の映画)
2.1
【行き過ぎた情報化社会への警鐘】48点
ーーーーーーーーーーーーー
監督:細田守
製作国:日本
ジャンル:アニメ
収録時間:114分
興行収入:約16億5000万円
ーーーーーーーーーーーーー
思っていたものと全然違ったので唖然とさせられてしまいました。ジャケットとタイトルから想像するに、田舎での壮絶な青春ドラマを描いた作品だと思っていましたがそういうものではありませんでした。OZというネット環境がメインテーマであり、なんだか良さがよくわからない作品でした。まず、新海誠の画風に苦手意識を持っている人がいる様に、僕は細田守の画風が苦手かもしれません。『時をかける少女』や『バケモノの子』は未見ですが、まずはこの形から入りづらいものだなと思われました。

インターネット上のバーチャル世界OZの管理バイトをしていた健二は、先輩の夏希からバイトを頼まれる。そのバイトとは、夏希の婚約者のフリをするというものだったのだが。。

最初の映像をみて、あれ、作品間違えた?と思ってしまいました。この世界の人たちはOZというバーチャル世界にかなり依存していて、自分の化身であるアバターを用いてショッピングや納税もここで済ませてしまえるのです。確かに便利ですが、ハッキングなどをされると手に負えなくなります。そのあたりの闘争を、自分のアバターを用いて参加するという内容であり、思っていたものと全く違いました。あらかじめこういう内容と知っておけばまた変わったかもしれませんが、軌道修正をすることが出来ず、ただただぽかーんと見るしかない状況が続いてしまいました。

今作の重要なメッセージは、紛れもなく行きすぎた情報化社会への警鐘ということであり、ネットに依存しすぎることでとんでもない結末を迎えてしまうということです。このフィルマークスだってそうでして、フィルマークスがなくなれば今まで書いてきた記事は全て消え失せてしまいます。転じてこの世のあらゆる情報は近年電子化されているため、ハードウェアが機能しなくなればその全てが消失してしまいます。
歴史的に見ると、後世からの立場でいうと何も情報が残らない「空白の時代」ともなってしまいそうです。デジタルは便利だが、やはりアナログの価値も忘れてはならない。そのあたりのメッセージは受け取れました。

しかしながら満足度としては頗る低く、スコアもこれくらい。バーチャル世界と現実世界を交互に映すというユニークな設定なので、ハマる人はハマるのでしょう。僕はハマれませんでした。
TS

TS