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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのEBIFLYのレビュー・感想・評価

4.0
★あらすじ★

ウィルはアメリカでも有数の学校の清掃員としてアルバイトをしていた。

ある日、数学科のクラスの前の廊下に書き出された超難問の数式を見つけ、いとも簡単に解いてしまう。

次の日、学校は大騒ぎだった。あの難問を解い誰?という話題でつきっきりだったのだ。

しかしどうやら生徒の中にはいないと、教授は落胆した。

ある日、教授がさらに難解な数式を廊下の黒板に書き出したところ、その黒板に落書きをする清掃員を見つける。

彼は慌てて彼を追ったが、その姿はもうどこにもなかった。

ちらりと黒板に目をやると、さきほど書いた数式が全て解かれているの気づく。

教授はすぐに清掃会社に連絡をし、彼の居場所を探すのだった。

一方ウィルは荒くれ者で、街で喧嘩をしては警察の世話になるような非行少年。

街で気に入らない奴らを見つけるよすぐに車から飛び出して殴りかかる始末。

そんなウィルを教授は保護観察下において、一緒に数式を解こうともちかける。

しかし、条件がついた。

1.決まった時間に教授のもとを訪れること。
2.精神科医のカウセンリングを受けること。

ウィルは渋々承諾するも、精神科医たちを次々と罵倒し非難した。

彼らは(もうごめんだ!あんな奴)とウィルの元から去ってゆく。

教授の最後の手段として紹介された心理学の講師をしているショーンだけは違っていた。

ショーンは癌亡くした妻を忘れられずにいた。一方ウィルはそんなショーンを最初はからかったが、自分自身が幼少時に受けたトラウマをショーンに話すうちに二人は打ち解けてゆくのだった。


★感想★

人は他の誰かを許せるようになったとき、はじめて幸せになれるのだと思う。

主人公のウィルは幼少期に受けたトラウマに囚われて、人を信じたり、許したりすることができなかった。


不良仲間と一緒にいても、自分だけはこいつらとは違うと心のどこかでずっと思っていた。

一方で心理学者のショーンは妻の失った悲しみから、強烈な孤独の中にいた。

ウィルがショーンの妻をバカにしたとき、ショーンは衝動的にウィルの首を締めるシーンがあるのだけれど

孤独というのは人をここまで変貌させるほどの強烈な恐怖感が生まれるものなのだと分かる。

つまり。この映画の主人公二人は深い孤独のなかにいたのだと思った。

心のトラウマを誰にも触れさせず一人抱え込んでは、悩み苦しむ。

おそらくウィルにとっての心のよりどころは数学という必ず答えがある世界で。

ショーンは自分の心を守る心理学という世界に没頭している。

そんな二人が出会い、お互いを信じ合えたとき。

そこには年齢や生きてきた過程を超えて最高の友情が生まれるのだと、この映画に教えてもらった。

数式では決して答えの出ない。

心理学では決して解明できない。

ふたりの世界が完成したときのこの映画を観てよかったと思えた。
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