人間がウィルスにより、次第に五感を失っていくストーリー。
嗅覚、味覚、聴覚、視覚。
そして本当に大事なことに人々は気づいてゆく。
この映画を観るとどれだけ普段人間が五感に頼っているか良くわかる。
とくに口紅を食べるシーンや、石鹸を食べて笑いあうカップルの姿はあまりに衝撃的だった。
しかし現在世界中がウィルスに汚染されているなかで、この映画が物語っていることは事実かもしれない。
いろいろなことが制限され、抑制される。
しかし、抑制されていくからこそ、人は考えるようになる。
今までしてこなかった新しいチャレンジや、家族やパートナーと素晴らしい時間を過ごすようになったりする。
この映画は決してネガティブな映画ではない。
五感を失ってゆくなかで、あるいは抑制されてゆく中で、人はどう生きるべきなのかを問うてくるそんな教科書のような作品だと僕は思う。