MARUKO

レミーのおいしいレストランのMARUKOのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ピクサー作品の中で脚本が特に好き。
本来食べ物を盗み出す害獣であるネズミ。その料理とは一番無縁である存在が料理をする意外性。
人間とネズミとの忌み嫌い合う関係を保ちつつ描くことで、二人だけの関係の特別感をより引き出す。

店の相続の問題が関わる実は大人なストーリーで、なぜシェフがリングイニを警戒するのか、子供には伝わりづらいかもしれない。それを彼の才能(仮)を妬む様子を交えることで子供でもストーリーに入り込みやすくしたのはさすがピクサー。
料理人と批評家の関係もまたしかり、批評家をまるで悪役のように描いたのはそのためだろう。
髪の毛で動いてしまうのは強引な感じを受けるが、その点のリアルさを欠くことでこの物語のファンタジー性を強調していると思う。

誰よりも人間らしい天才ネズミに夢、挫折、発展の夢追い人間ドラマさながらの役を与え、全く正反対のバディとともに料理を通じて関わりあう人々をこんなにも繊細に描き出すなんて。
こだわりと独創性を感じる脚本にすごく感動した。

映像に関しては安定のピクサークオリティー。今回は特にネズミが主人公とあって、実写ではないような独特な視点が多かったのは、CGの良さを存分に活かしていたと思う。ネズミから見たらこう見えるだろうと楽しみながら考えたのだろう。排水管が濁流、水滴で手を洗い、人がぶつかりそうな厨房が広い。また、食器の傷やスープに浮かぶ油など料理に関する描写が細かかったのもよかった。フランスっぽい雰囲気のいい音楽も素敵。

すごく面白い。自信を持ってお勧めできる作品。(ちなみに他の方レビューで気になったのでひとこと。ディズニーというよりピクサーです。ピクサーファンとしては譲れないですねw)
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