Eryyy678

蝿の王のEryyy678のレビュー・感想・評価

蝿の王(1990年製作の映画)
4.1
イギリス人作家、ウィリアム・ゴールディング原作。

無人島に漂流した少年達。″ラルフ〟をリーダーに、火を起こして狼煙を作り、救出を待つ彼ら。だがやがて、″ジャック〟という少年を筆頭に、豚狩りという″狩猟〟に興じる少年達。やがてジャック達は、救出を望むラルフと対立し、自らの役割も放棄して狩りに没頭していく。本能の赴くままに。

ラルフにも味方はいます。メガネのピギー。
piggy(子豚)なんて呼び名はあんまりだけど、最後までラルフと行動を共にし、決して理性を失わずに正しい行いをしようとしていた。
「もしこのまま助けが来なければ、僕らはここで暮らすしかない。おそらく死ぬまでだ」
「いつまでも子どもじゃ駄目だ」

少年達に呼びかけるピギーの言葉は、彼に待ち受ける残酷な運命を考えると、あまりに悲しい。

映画にはないんですけど、原作の台詞、
「僕らは初めは一緒に団結してやっていたんです」
「ああ分かってるよ。初めはものすごくうまくいってたんだね。″珊瑚島〟みたいにね」
っていうラルフと大人のやりとりが好きなんだけどな。
みんな初めはうまくいくもの。でも、なんかうまくいかなくなった。それは大人であってもそうだと思う。大人も完璧じゃない。誰もがピギーのようになれるわけじゃないから。
Eryyy678

Eryyy678