次男

ノルウェイの森の次男のレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
4.0
読書。最近、ちょっとは読んでいるけど、焦ったり、利用を考えたり、とにかく雑念ばかりの読書で、もはやそれは読書とは呼ばないので、そういう意味では久しく読書をしていない。間違いなく映画を観ていたけど、読書をしている感覚をーーそれが「ノルウェイの森」かどうかはさておきーー思い出すような映画鑑賞だった。

反面で、これは確実に映画だった。文章と映像の相互関係の話だけど、可逆になれてはいけないものだと思う。とても当たり前なことだけど。そういう意味で、この映像をどうやったって文章にはできなくて、同じように「映像には絶対できないであろう文章」を想像できて、そういう意味で、いい映画だなぁと思った。

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とにかく最後の一言が至言。どこにいるんだろう?なにか、「これ」が僕なのはよく理解しているけど、でも僕ではなく、僕が「この身体という乗り物」を充てがわれているようなそんな当事者感覚の無さを、アンコントローラブルな進行を、「なぜこれらが僕の責任になるのだろう」という無責任さを言葉にするならその言葉だと思う。

(「そんな無責任さが、一貫性のない・倫理に反することだって実現させてしまう」、まで言うと、「浮気者の言い訳のよう」とまた言われてしまいそうだなあ。)

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どのシーンにも手抜きがない。目に麗しい画面。100円で作れるものに10000円費やす美学とその効果を感じる。とにもかくにも綺麗で、鑑賞物としての魅力がすごい。これだけの映像を作ってくれたら、あとは僕の方でなんとかできる。

僕は原作を読んでいない。
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