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ハード・プレイのGreenTのレビュー・感想・評価

ハード・プレイ(1992年製作の映画)
2.0
カリフォルニアのヴェニス・ビーチ周辺でストリートボールを楽しむシドニー・ディーン(ウェズリー・スナイプス)は、ある日白人のプレーヤーを見つけ、たかってやろうと勝負を持ちかける。挑戦を受けたビリー・ホイル(ウディ・ハレルソン)はシドニーをコート・ゲームとシュート・ゲーム両方で負かす。

シドニーはビリーにパートナーにならないかと持ち掛ける。白人はバスケットボール下手と思っている黒人コンビに試合を持ち掛ければ儲けられると。

まずですね~!!ヴェニス・ビーチってあんなにボロボロなところなの?それともヴェ二ス・ビーチの裏側を描いているのかな?「これってフロリダ?カリフォルニア?」ってしばらくわからなかったよ。

黒人たちがストリート・バスケットボールをしているのは有名だけど、あれってお金かけているの?それとか、ビリーは流れ者の「バスケットボール・ハスラー」として描かれているけど、本当にあんな生活している人いるの?

最初の、シドニーとその一派がバスケットをしているシーンが異常に長いんだけど、いわゆる黒人特有の「トラッシュ・トーク」の見せ場らしい。ああいうのあんまり私は面白いと思わないので、「長いな~」と思いつつ観ていた。

バスケットボールのシーンはすごい!ウェズリー・スナイプスもウディ・ハレルソンも、元NBAの選手に指導を受けて本当にプレイしているらしいのだが、マジで盛り上がる。あの、どこにボールを持っているのかわからないように右、左って素早く動くところとかもう芸術的。「なるほど、バスケットボールってこういうゲームなんだ!」ってすごい良くわかって面白かった。

しかし本当に「黒人のバスケットボールに白人をぶっこんだら面白そう」という以外の理由が無さそうな映画であった。監督・脚本のロン・シェルトンって、『さよならゲーム』の監督・脚本なんだって?!

『さよならゲーム』の方が登場人物もストーリーも良くできていると思った。こっちは、「バスケットボールやって、お金稼いで、次に掛けたら負けて、ガールフレンドや奥さんに怒られて、また金かけてゲームやって勝って、そのお金を取り合いして、またお金が無くなって・・・」ってそれの繰り返しで、途中から飽きる。

後半突然ビリーのキャラが、黒人の選手よりももっと口が悪くなるゲームがあるんだけど、あれも理由が良くわからなくて、なにあれ、白人にああいうトークやらせたら面白いってそういうアイデアなのかな。

ところでこの映画の邦題って『ハード・プレイ』なの?!ひどすぎる!『ホワイトメン・キャント・ジャンプ』じゃダメなのかな?『リバー・ランズ・スルー・イット』がOKなのに!

でも特に人種問題を描いてなくて、このくらいあっけらかーんとしているのも悪くないなと思った。唯一、ジミ・ヘンドリックスを聴いて、シドニーが「お前にジミは聞こえない。白人はジミを聴かないとわからない」みたいなことを言うと「ジミのバンドはジミ以外全員白人だ」って指摘されて「そうなの?」ってなるところくらい(笑)。

脚本で一番煮詰まったところが、ビリーのガールフレンド・グロリアの設定らしいんだけど、そんな考えて出てきたのがアレなのか!ロージー・ペレスが演じているんだけど、クイズ番組『Jeopardy!』に出て大金を稼ぐのが夢って人なんだけど・・・。このヒスパニック丸出しの女優さん、あんまり好きじゃない上にこのキャラもちょっとな~。なんだよあの髪型!とか思いながら観ていた。スタイルは良かったけど。要らんベッドシーン(しかも2回)やらされてた。

で結局、見どころっていうかクライマックスはなんなの?って言ったら、スラム・ダンクできなかったビリーができるってところ?そこが意外と盛り上がらない。あのダラダラお金を取って取られてみたいのが長すぎて。それにスラム・ダンクできたのにグロリアには去られるってのも、全く響かない。んで最後シドニーと仲良くなりました、で終わるんだけど、別に二人とも何か成長があったとかそういうのなくて「フーン」って感じ。

でも「これはただのスポーツ映画ではない」とかって評価高いんだよなあ。
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