エイデン

ゴジラのエイデンのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1984年製作の映画)
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伊豆諸島の南端 大黒島の火山噴火から3ヶ月後
先日 消息不明となった第五八幡丸を捜索していた東都日報の新聞記者 牧は、付近で漂っていたそれらしき船を発見し乗船する
内部には遺体がいくつもあり、その全てが何故かミイラ化していた
ロッカーに隠れていた唯一の生存者 奥村を保護した牧だったが、突如 体長1mはある巨大なフナムシ “ショッキラス”に襲われる
何とか撃退し逃げ延びた牧は、奥村に遭難の際 噴火する大黒島から巨大な生物が現れたと証言する
特ダネに燃える牧は本社に記事を送るものの、パニックを恐れた報道規制により事件は世に出ることはなかった
その代わり牧は、国から調査を依頼されている生物物理学者 林田博士との独占的なコンタクトが許される
林田は奥村が見た巨大生物を、30年ほど前に日本を襲った怪獣“ゴジラ”と考えて調査をしていた
牧は林田の助手で奥村の妹でもある尚子とも出会い兄の無事を伝え、その再会に立ち会うが、カメラを回していることがバレて反感を買ってしまう
新たなゴジラの登場に危機感が募る中、ゴジラは日本近海を潜航中だったソ連の原子力潜水艦が撃沈する
日本はゴジラによる攻撃と断定したものの、ソ連はアメリカの攻撃であると批判を始め、国際問題に発展することを恐れた日本政府はやむなくゴジラの存在を世界に向けて公表する
それに呼応するかのように、ゴジラは静岡県の井浜原子力発電所に出現
現場に駆けつけた林田の目の前で、一種の食料でもある放射能を吸収すると、突然 渡り鳥に吸い寄せられるかのように海へと戻っていくのだった
それを見た林田はゴジラ打倒のための作戦を思いつくが、アメリカやソ連は頑なに戦術核攻撃の使用を要請し始め、未曾有の危機を前に日本は決断を迫られる



『メカゴジラの逆襲』より9年ぶりに製作されたゴジラシリーズ16作目
また生誕30周年記念作品でもある

落ちに落ちてしまったゴジラ人気をリセットするために作られた作品で、2作目から15作目までを完全無視した1作目の直接的な続編というパラレルワールドな設定
敵怪獣と戦うヒーロー的立ち位置を見直し、ゴジラが改めて人類の敵として立ちはだかる

高層ビルが立ち並ぶ時代に合わせてゴジラも50mから80mに巨大化
新たなる時代を舞台に新兵器を駆使する人間との戦いが繰り広げられるドラマチックなモンスター映画となっている

『シン・ゴジラ』ほどではないもののポリティカルな一面もあり、東西冷戦という核の脅威でひりつく情勢を組み込み、ゴジラという脅威を前に、三田村総理大臣が舵を切る日本はどう動いていくかが作品のリアリティを引き上げている

スチャラカだった昭和シリーズに比べてSF色も濃くなっていて、上記と同じくリアリティの向上が図られているのも特徴
ゴジラの生態について詳しく言及があったり、それを利用した対策など
またウルトラ科学技術が結集したメカの数々も格段にカッコいい
この後のシリーズにも登場する首都防衛戦闘機スーパーXも初登場
カッコいい

まあ本気出した割に怪獣バトルを期待した方々からは肩透かしを食らったような結果だったけど、これから続くVSシリーズは基本的に繋がったストーリーとなっているため、高度経済成長期の日本という新時代の幕開けにふさわしい一新っぷりなので、しっかり押さえましょう
ちなみに、色んな俳優がゲストでも出てる上、漫画『ドラゴンボール』の作者 鳥山明がこっそり出演してたりするので、探してみような
見つかんねえよ
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