金曜ロードショーで幾度となく観たはずなのに、全然覚えていなかった。そして観た直後だとうまく説明できないくらい深すぎる。3年前に自然を求めて23区から多摩地区に越してきた身としても、ちゃんと向き合いたいなあとおもえる作品。そんな超社会派でありながら狸というユーモラスな性質と人間の業の深さがテーマなので声優陣が落語家で揃えられているのが納得で（しかも繰り広げられるのはイリュージョン）大人になってから妖怪と落語を追いかけるようになったわたしに原点のような郷愁を感じさせてくれる。そして歴史とか復讐と過激派とか家族とか起きていることは全部いま起きていることでもある。吹き出してしまうくらい笑える（踊念仏の教祖という言葉が大好き）一方まったく笑えない皮肉についてはアニメーションだからギリ受け入れられる表現が多く、目を背けるなって誰かに言われている気分だった。最終的な共生とは彼らの妥協でしかないけれどいよいよ人間が適応する努力をしなくてはならないところまできたよ。（しかも猛スピードで。）森羅万象すべてに畏怖の念を。
