ソリャナイッサ！
金曜ロードショーで何回も目にしてる割にきちんと最後まで観たのは今回が初めてでした。ソイヤッサ！の掛け声だけはちっちゃい頃から覚えてました。愉快なぽんぽこたぬき達の化かし合戦。ヤカンに人間に竜になんでもござれ。妖怪大作戦の百鬼夜行はあれよあれよと言う内に怒涛のように変化し賑やかで目が休まる暇もなく…いやはや見事。
たぬき達が実に個性的で愉快な連中ばかりで全編ユーモラスな雰囲気に包まれているから観やすい。しかし、テーマをほじくり出すと彼らにとってはちっとも笑い事ではないです。増えすぎた人口を賄う為に彼らの住処の山を切り崩し冷たいコンクリートで侵食し物を言わぬを良いことにどんどんとたぬき達を外へ外へと追い出してゆきます。人間達の化かす技術はたぬき達より数段上のようで「化かされているのはこっちのほうだ」とまで言わしめる始末。人間こそ化け物なのかもしれません。ラストで描かれたたぬき達の生き方は正解なのか…どっちとも言えないような気がします。だけどハッピーエンドじゃないからこそ胸に残る余韻があります。たぬき達の温かいユーモアにくるまった苦い薬を飲まされた…これまた化かされたのかもしれない。
