shibamike

波止場の王者のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

波止場の王者(1956年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

船舶用ジェットエンジンの設計書を巡り、中小企業とマフィアが争うというマジかよ!な話。

造船業を営む中小企業の島製作所。この会社で開発された「AZ」というジェットエンジンはかなりの高性能で、島製作所は海上保安庁の船にこのエンジンを採用してもらいたいと思っている。

一方、密輸で荒稼ぎをしているマフィア組織はこのAZが海上警備用の船に搭載されてしまうと、密輸をする際の脅威になると考え、AZの設計書を奪おうと考える。

話のメインは上記で、あとは戦後間もない日本の会社や少年工らのヤンチャぶりが楽しめる。
少年工らのヤンチャぶりは本当に威勢が良く、圧倒された。

自分が学生の頃に年配の先生から聞いた話であるが、理系職種にも時代時代によって人気の仕事があるらしく(そりゃ当然か)、その先生が若い頃(戦後間もない頃)は造船業が人気だったらしい。そして、自動車、電機と続き、最近だとITとかAIが人気なのであろう。
自動車も電機も(鉄鋼も)軒並み大手が不祥事などで最近世間を騒がせている。
「日本の技術力なんて胡散臭いものだったんだ」と自分は思うようになった。
とは言え、この映画では大型船を作ることに憧れた若い少年工が多数映り、目がキラキラ。オッサンには眩しかった。

島製作所とマフィアの最終決戦は大島という離島。イカシテいるぜ。
人質の博士を奪還するため、主人公の宇津井健がAZの設計図を大きめの筒に入れて現れるのであるが、現代だとUSBメモリやCD-RにCADデータを入れるとかになるであろうから、つくづく現代というのは情緒が無いなと思う。

穏便に取引が行われるかと思いきや、そんな訳なく、派手に両者の死闘がおっぱじまる。凄まじい数の爆弾と鉄砲弾が弾けまくる。やっぱり映画はこうでなくっちゃ!
主人公の宇津井健がマフィアのボスと対決する際、急にマフィアのボスがワイヤーアクションっぽいジャンプを繰り出し、最高。マジで意味不明。

触れる者全員怪我させるような凶暴少年だったギンジも最後の最後には好青年となり、良かった良かった。
「水野さん…すみませんでした…」

若い頃の丹波哲郎ってハンサムぅー!
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