イホウジン

クレイマー、クレイマーのイホウジンのレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
4.1
(うろ覚えレビュー)
愛は最初からあるものか、育むものか?

構成上見事なのは、ストーリーの大半で父子関係が描かれるにも関わらず、常に妻の視点やその不在が強烈に意識させられるところだ。故に終盤の泥沼展開においても、鑑賞者はどちらか一方への肩入れをためらってしまうような、複雑な心境になることができる。(ただし夫の会社の上司がクズなのは確実である)
ワンマン育児の過酷さを描く社会派ドラマと確かに言えなくはないが、それ以上に家族愛の素晴らしさやそれを育む姿を描こうとしているようである。作中におけるフレンチトーストの使い方はその典型であろう。セリフでは説明しきれない圧倒的な余白が、かえって様々なものを表面化させているようだ。
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