このレビューはネタバレを含みます
社会から疎外されている2人
男は発達障害だろうか
前科もあり
家族からあからさまに疎まれている
女は重度の脳性麻痺
こちらも家族からぞんざいに扱われ
1人薄暗いボロアパートで孤独に暮らす
男の前科のうち過失運転致死については
なんと兄の身代わりだった事がわかる
無実であるにもかかわらず
出所後被害者宅に謝罪に訪れたり
無銭飲食するほどお金に困っているのに
母親にプレゼントを買うとか
甲斐甲斐しくコンジュの世話をしたり等
稚拙ながらとても優しく純粋な人である事が
ひしひしと伝わる
それ故に他の前科についても
本当は冤罪なのではないかと
観ているこちらは思ってしまうが
当の本人はといえば
『そんな事はどうでもいい』と言わんばかりだ
一見社会から疎外されていると思われた
この2人だけれど
そうではなく
寧ろ2人が社会を疎外していたのかと
疎外されていたのは
私たちだったのかと
思い知らされるのだ
2人の演者の
その圧倒的な演技によって
