雨丘もびり

アリス・イン・ワンダーランドの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

3.5
アリスが不思議の国でたくましく成長し、現実世界でも強く生きてゆく。
そういう物語にしたいなら、アリスが自分の意志で剣を取り、怪物を倒すシンプルな展開にすれば良いのに.....

アリス自身は、暴君女王から虐待されてない。
ただぼんやり、自分の存在に不安を抱えているだけ。
だから、物語が加速しないまま、やらされ仕事で剣を握る。

↓この設定が、物語をふわっとさせてる気がする。
「アリスは予言の書で定められた主人公」なのに、
「住人たちがアリスを本物のアリスと認めていない」

.....脚本リンダ=ウールバートン、自信無かったのかな(・・?)。
素晴らしいキャリアをお持ちだから、そんなこともないと思うんだけど。
なんでこんなに、アリスを受け身なキャラにしたんだろ?

ナゾいわ。

逆に惹かれる。

ともあれ、
監督ティム=バートンが「D社に婿入りはしないけど映画の主導権は握ります」っていうドヤりかまして終幕、胸アツですw。
青虫の「魔法の剣は握ってるだけで大丈夫」みたいな台詞がジワる。


初見は劇場で3D。いらんわーって思ってたし内容もぜんぜん印象に残らなかったけど、いまあらためて見返すと惹かれる要素あり。


赤の女王、"これから絶望な人生が始まる"な予感だけ与えられて、退場させられるおぞましさがたまりません。ひひひ。