YAZ

草の上の昼食のYAZのレビュー・感想・評価

草の上の昼食(1959年製作の映画)
5.0
ジャン・ルノワールの観る

優秀な子孫残すには人工授精だと
主張する科学者で欧州大統領候補
のアレクシ博士が子供欲しさに
実験台へと彼に近付く田舎娘ネネ
ットに恋してしまうがの話

ドタバタもありの恋愛喜劇で自然
に従うのが人間的で幸福であると
言い放つ傑作

ネネットの知り合いで山羊連れたオジサ
ンの笛吹くと何かが起こるそうで本編で
も彼が吹く笛の音と共に恋物語が動く。
その後もアレクシをネネットに導く天使
の様に何度か登場し恋する二人を満足そ
うに眺めております

ネネットを後ろに乗せ原付で走るアレク
シの幸福感。この幸福感はフランス映画
ならではだと思ってますが理由なんか考
えると自然なまま浸れば良いのだとルノ
ワール先生に怒られそうなので黙って
浸るです

樹齢何百年と思われる大木や川の流れや
風に揺れる草や虫やらをそこそこの時間
流し続ける映像が数回入る。
物言わずの自然ですが人間に何かを訴え
る雄弁さも兼ね備えてるようでドキリ

喜劇映画でルノワールもキャリア晩年で
すがその裏にはとてつもない攻撃的なの
が秘めてる様で楽しいけれど少し怖い。
傑作としか言いようがないです
YAZ

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