チッコーネ

疑惑の渦巻のチッコーネのレビュー・感想・評価

疑惑の渦巻(1949年製作の映画)
3.0
ジーン・ティアニーとリチャード・コンテというノワール映画の常連が共演している作品、ドイツから亡命した監督のひとり、プレミンジャーが監督。
ニューロティックからさらに一歩踏み込んで、催眠術を駆使するスウィンダラーキャラが登場。
彼の技が脚本全体に大きな影響力を持っているため、全体もやや荒唐無稽に観えてしまううえに焦らしの多い作品だが、世界には現代でも、催眠術を悪用した犯罪がある様子。
ホセ・ファーラーの顔は絶妙に不快、役柄にぴったり。
催眠の過程を照明で表現した場面はいくつかあるが、やはり顔面左半分にメイクも施した彼の自己催眠場面が、最も強烈だった。
また今となっては見られない「精神科医が患者との面談を録音し、焼き付けたレコードの保存庫」なる美術も趣深い。