タキ

ヒストリー・オブ・バイオレンスのタキのレビュー・感想・評価

3.0
英語には『彼はヒストリー・オブ・バイオレンス(暴力事件を起こした過去)がある』という言い回しがあるらしい。なるほどその通りの映画だった。ジョーイという男がギャングから足抜けし、三年がかりでトム・ストールという一般人になり、家庭を持ち田舎のダイナーのオヤジになったが、ある日やってきた二人組の強盗を1人で殺したことで街のヒーローになり、テレビにでたりしたことで面が割れ、昔のツレがお礼参りにやってくるというお話。
片目の男と兄との会話ぐらいでしかトムの過去が語られずあんまりよくわからなかったが結局ジョーイは組にいられなくなって逃げたってことでいいのだろうか。
保安官のサムが証人保護プログラムの話してたけどそれもどうも違うっぽい。トムはギャング壊滅の重要証言をした見返りにアメリカ政府から新しい身分をもらって生活してるってことかと思ったんだけど、それだったら別に家族に言ってもいいような気がするし…「暴力で解決してはいけない」などと発言するとはお前が言うなと盛大なツッコミを入れざるを得ない。
監督は人間の暴力性を描きたかったのかもしれないけど、息子がいじめっ子を撃退したシーンを隠された暴力性の発露、父親からの遺伝のように描いていて可哀想だった。その上家族を守るためのギャング殺しまで背負わせるのは酷すぎる。
無駄に長いセックスシーンが2回あったけど、コスプレのくだりを見せられている我らはいったいどういう顔をすればよいのか。
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