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ヒストリー・オブ・バイオレンスのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

3.8
インディアナ州の田舎町でダイナーを営むトムは弁護士の嫁と2人の愛する息子娘を育てながら地元で愛されるお店を切り盛りしていた。ある日、閉店間近の現れた二人の男がお金目当ての脅迫をし、トムはとっさに2人を殺めるも足を刺されてしまう。この事が切っ掛けでお店を守ったヒーローとして新聞やニュースで有名になったトム。そこへ片目を失った黒ずくめの男が現れトムに話しかける「なぁ、ジョーイ」と・・的な物語。

デヴィッド・クローネンバーグ監督の作品を追っているのだが、きっとクローネンバーグ氏のことだから、頭ぶっ飛んだり、昆虫と体が融合してゴリゴリの体に体が変貌を遂げる的なところを想像していたら、至極まっとうで、着地が綺麗な家族愛を描いた物語であった。ただ、流石に今まで培ってきた暴力の匂いは隠しきれず、序盤から最後までプンプンと不穏な空気がまとわりついている。

高校時代に「午後の紅茶レモンティー」の甘さが好きで、レモンティーはだいたい甘いと勘違いしていたのだが、お高いレストランで飲んだレモンティがまったく甘くなくて、こんなのレモンティーじゃないと激怒しながらも、これが大人の世界なのかと認めざるを得ない感覚を本作からも感じた。
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