どーもキューブ

ブッシュのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

ブッシュ(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

オリバーストーン監督、米大統領ジョージWブッシュのフィクション



 2009年10月3日 23時04分レビュー

 

脚本「ウォール街」のスタンリーワイザー。監督オリバーストーン。

結構見たかった作品。

オリバーは、もはや宿命的にアメリカ大統領を描いている。ケネディ、ニクソン、ブッシュ。

それだけでたいした監督であると思います。

予備知識と思い。ブッシュは、ニュースやマイケルムーアのゴーマニズム映画「華氏911」から単純感化されあまり好きになれない。

イラクの攻撃の是非、莫大な石油利権、癒着とアラブ企業の結びつきなど映画やニュース、新聞の斜め読み程度の予備知識だが、アメリカにとって良い政治家としてアナウンスされてるかたではない模様。

親父さんと二代にわたる大統領、強気な発言、慈悲深くない感じ、戦争長期化、軍人虐待の映像、靴を投げられる人、そんなイメージ。

 一方それを表現したオリバーストーン監督。

根っからの社会派監督、映画評論家の淀川先生は、大嫌悪なされたかた。

「映画に政治をもちこむな。」

という事をいっていたっけ。

また、オリバーを好きと言うと反語的に

「あなた社会派の映画好きなんだ」

という、なにかそんな意地悪な思いが自問自答する。

しかし、自分にってオリバー作品は、二時間ばかりの映画で上記大統領の
背景、
政治、
性格を

うっすらとでも

わからせてくれる喜びがあった。

むつかしい評論や新聞の社会面を追いかけるよりよほどわかりが良かった。

(それが一側面の一監督の狭い視座のフィクションだとしても)

オリバーの脚本時代「イヤーオブザドラゴン」「スカーフェイス」から「ニクソン」まで大好きな作家なのだ。

本作は、当人ブッシュが在命中にも関わらず公開しているそのアメリカの野放図なというか自由なお国柄と神経の図太いオリバーに賛辞を送りたい。
 
日本じゃ無理でしょ!

そして本作の目玉、ブッシュを演じたお気に入り俳優ジョシュブローリンが、必見。

笑っちゃうほど似てます。 


赤いネクタイに眼鏡のところとか本人かと思います。

そして支える面子の素晴らしさ。

パウエル役のジェフリーライト、ライス補佐官役タンディーニュートン。

ブッシュ母、豪傑なお気に女優エレンバースティン。

そして、チェイニー役のリチャードドレイファスは、実に素晴らしい。 

冷静沈着、ブッシュの頭脳影武者を好演。
 
オリバーは、時代をいったりきたりしますが、彼の若者期からイラク戦時下まで実際のニュース映像をはさみながらもブッシュの性格に迫っていきます。

オリバーの描き方がなんか面白かったんです。

明らかに英雄とか頑張った人とかじゃなくどこか弱い、どこか罪深い、そして嫌らしく描いています。

ブッシュのやりたい放題な若者期。酒依存、女性、事業失敗、勤労意欲、宗教観、父との関係等を挟みながら現役大統領周辺の政治ドラマを描いていきます。政治的には、深みのない、掘り下げもない描写です。

あくまでもブッシュの性格と家族、彼の政治手腕のドラマにだけ絞り表現されています。 

政治の深遠な解釈や深みのある諸外国との外交や政治多層な組織ドラマなど一切ありません。

ジョッシュブローリンの体現するブッシュの姿を通じて彼のパーソナリティーに迫る二時間。  

音楽ポールカンテロンの民謡やカントリーチックな音楽、なんか珍妙な感じなんです(笑)

オリバーの半ば悪意半分、嫌らしさ半分、全体なかなか好きになれないWブッシュのフィクショナルな大統領像。

とっても面白かったです。

そしてこれを2009年にまだ生きているアメリカの大統領を表現されたその「迅速性」に大変意義があるフィクションなのではないかと感じました。

「オリバーは、ちょっと、、、。」という方はご遠慮ください。 

なかなかの「アク」のあるジョシュブローリンです。やたらクチャクチャ食べます(笑)


オリバーにリスペクト!
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