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大平原のarchのレビュー・感想・評価

大平原(1939年製作の映画)
4.5
セシル・B・デミルらしいスケールのデカさが魅力な西部劇。
アメリカがフロンティアスピリットを掲げ、西へ西へと向かい"アメリカの今"が西にあった時代。
鉄道にフォーカスして物語は展開され、その規模感に見合ったミニチュアを用いた演出等が印象的で、対して人間ドラマも友情と恋愛を中心に魅力的な面々で描いていて、娯楽作品として申し分のないクオリティーになっている。

本作では西部劇に付き物なインディアンが登場する。ただこの時代の西部劇には珍しく、白人のインディアンに対する暴力とインディアンの蛮族な一面を両方描いている。しゅじんこうととデュークの関係も踏まえると真っ当な娯楽作品である反面、勧善懲悪的な娯楽作品とは一線を画すポジションにもあるのだ。
それはその前提に共通認識として「鉄道を繋ぐ」ことがあるからだと思うのだ。だからあのラストのワンカットだ。今にまで続く遺産としての鉄道を描く手腕、「十戒」というエピックムービーを生み出した監督ならではのスケールの大きさを感じさせるのだ
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