真田ピロシキ

バイオハザードの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

バイオハザード(2002年製作の映画)
3.4
続編があまりにクソすぎたこともあって記憶の中で過大評価してたらしい。それでも結構面白い。低予算は明らか。2002年公開の映画なのに溢れ出る90年代前半感、下手すると80年代風味すらあるがそれを悪く感じさせない。ターミネーター1のような懐かしさ。最初はカプコンの誰もが売れるとは思っていなかった原作ゲームのB級素材を正しく調理している。続けばラッキーくらいの意識で、まだ売れっ子ではなかったとは言えミシェル・ロドリゲスさんを使い捨てる思い切りの良さ。続編のように尊重する気が全くないくせに原作キャラクターを中途半端に出しもしない。これで良いんです。

引き継いでいるのはテイスト。アンブレラは危機管理能力0の無能企業。悪意だけ異様に肥大化した様はオムニ社やウェイランドユタニ社と言った偉大な先達のDNAを継承している。上手く避けられたら難易度をクリア絶対不可能レベルに爆上げするクソゲーレーザーなんて最高。それを煽ってくれるクソガキAI。自決を思い留まった兵士のように原作ゲーム同様のロメロオマージュを思わせる所もあってアンダーソン監督の好きなものを詰め込んだ感じが好ましい。音楽の趣味もモータルコンバットでやってたようなアンダーソン君らしさ全開。

続編は話のスケールは大きくなってるのに演出が釣り合っていない。いざとなったらスローやCGで誤魔化せるという気持ちがあるのか、それを多用するためとにかくダサい。超人であるはずのジョボビッチが構える銃がブレブレだったりと誤魔化せていない点も多い。お金がない本作はもっと真剣勝負。これですらジョボビッチはショボさを隠せてないことがあるものの、まだ超人設定ではないから問題ない。肉体的には強くなくても意志の強さは感じさせる凛々しさ。この映画がそこそこしかヒットしなかったら相応に楽しい続編が3くらいまでで終われただろうになあ。大金が良く働く人もいれば悪くなる人もいる。