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ジョニーは戦場へ行ったのEirainのレビュー・感想・評価

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
3.6
『ローマの休日』、『スパルタカス』、『パピヨン』など、数々の名作の脚本を手掛けたダルトン・トランボの唯一の監督作。原作小説も彼自身が執筆しており、まさに魂の作品。

「ジョニーは戦場へ行った。そして目、耳、鼻、口、両手両脚を失い、意識ある"肉塊"となって帰ってきた。見えない、聞こえない、話せない。身動きも取れず相手に意思を伝えることも叶わない。現実に"色"はなく、鮮やかに描かれるは思い出と夢―――。」

大人たちが若者を犠牲にする戦争の悲惨さや"尊厳ある生"とは何かを、これほどにないまでに描いた作品。どれだけ恥を晒したとしても戦争に行って欲しくなかった婚約者カリーン、何よりも大切な息子を"政治"の犠牲者にしたくなかった亡き父親、主人公の回想で描かれる彼らの想いが胸に刺さる。(父親との釣り竿エピソードでは涙が出そうだった・・・。)語り継がれるべき名作。
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