荒野の狼

恋のページェントの荒野の狼のレビュー・感想・評価

恋のページェント(1934年製作の映画)
5.0
1934年の白黒映画で主演のマレーネ・デートリッヒで、ロシアの女帝エカテリーナの幼少期(演ずるのはデートリッヒの実娘)から帝位につくまでを描く。言語が英語であったり、ロシア宮殿の中に考証を無視したガーゴイル像などがあったりする部分は創作であるが、概ね史実には沿っている。
池田理代子の漫画「女帝エカテリーナ」のファンはより楽しめる内容で、グリゴリー・オルロフ伯爵が後半少しだけ登場。スタニスワフ・ポニャトフスキ伯爵(後のポーランド国王)やポチョムキンは登場しない。本作の魅力は何といってもデートリッヒだが当時33歳くらいなのだが、実在のエカテリーナアと同様、出身がドイツなのではまり役。新婚時に乗馬服姿が可愛らしく、こんなデートリッヒを見られるだけでも満足。
女帝エリザヴェータの愛人アレクセイ・ラズモフスキー(演ジョン・デイビス・ロッジ)がエカテリーナを誘惑する設定で事実上の相手役。エカテリーナの夫ピョートル3世を演じるのがサム・ジャフィで本作が銀幕デビューなのだが、まさにはまり役で変人のピョートル三世を怪演。圧巻なのはラストのクーデターで馬に乗った一団の兵隊と馬ごと宮殿内にデートリッヒが乗り込み玉座に着くシーン。
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