ハレルヤ

我等の生涯の最良の年のハレルヤのレビュー・感想・評価

我等の生涯の最良の年(1946年製作の映画)
4.0
第二次世界大戦から帰還して同じ輸送機で知り合った3人の男たち。友情を育みながら、それぞれ復員兵としての厳しい社会の現実と向き合うヒューマンドラマ。

ウィリアム・ワイラー監督の作品と言えば「ローマの休日」「ベン・ハー」あたりが代表作になりますが、本作も負けず劣らずの傑作。戦争から帰って来た兵士たちの心身の傷や、家族や恋人との関係。社会への復帰など幅広いテーマを扱っています。

なので上映時間も長くなり3時間近く。それでも長さをあまり感じさせない内容の濃さがあるので、最初から最後まで飽きませんでした。

中でも戦争で両手を失ったホーマーのエピソードは本作の重要なところ。普段は義手をネタにして明るく振る舞うも、実際は深く悩み苦しんでいて、徐々に心が荒れていく。そんな彼を支えたのが幼馴染みで恋人のウィルマ。ありのままの彼を受け入れる様子は静かな感動が胸に広がります。

ホーマーを演じたハロルド・ラッセル。彼自身も実際に事故で腕を失っていて、その役柄は本物。本作以前に演技経験が無いとは思えないくらいの熱演でした。オスカー受賞するほどの彼の名演は必見。

1946年の作品ということで当時は終戦直後。公開当時はより一層観客の心に響いた作品でしょう。戦闘シーンの無い反戦映画。長い時間を費やしてでも見る価値は十分あります。
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