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我等の生涯の最良の年のひでGのレビュー・感想・評価

我等の生涯の最良の年(1946年製作の映画)
3.5
父の懐かしの旧作DVDシリーズを鑑賞。
「ローマの休日」「ベンハー」の巨匠ウイリアム・ワイラー監督作品。

戦争が終わって2年しか経っていない1947年作品。

戦争から生還して家族の元に帰る男たち。
家族や恋人が迎える。温かい抱擁、涙のキス。
映画はそこがラストシーンでなく、そこから生まれるドラマを追っている。

抱擁して家の中に入った後、どんな会話をするのか、食事は?仕事は?

そんな「生還後」を描くヒューマンドラマ

「我が生涯の最良の年」
このタイトルの重層化を感じてしまう。

家族の元に帰れたことはもちろん「最良」なのだが、
戦争という傷を背負い、そことのギャップに苦しむ人々にとっては、「最悪」の年なのか。

私は、どちらでもないような気がした。
「我が生涯の再スタート」の年、
最良か、最悪かは、これからの彼らの生き様に関わっていくのだろうか。

3人の中では、ホーマーを演じた本物の義手のハロルド・ラッセルが秀逸。
彼が気持ちをふさぎ込ませるあたりは非常に説得力があり、最大な見どころ。

その点、フレッドの話は、やや作為的なものも感じ、落ち着くところ。
ただ、壊れかけた飛行機のシーンは、彼の心情ともマッチして、これも名シーン!

というように、

3人の帰還兵。年代も家族の構成もそれぞれ異なる。
その後を丹念に描くあたりは、さすがの巨匠!


ただ、制作年が1947年。今見ると、結末的にやや物足りない感じもなくもないし、正直もう少し短くても?とは、思っちゃいました、、
ごめんなさい、巨匠!(・_・;
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