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スリーパーズのdeenityのレビュー・感想・評価

スリーパーズ(1996年製作の映画)
3.0
結構豪華なキャスティング。「デ・ニーロが神父かい。」ってのはあったけど、ブラピはいつでるの?って思ってたら後半からだった。やっぱり若い頃のブラピは異次元のカッコよさだ。

前半部分は少年時代の4人組が犯してしまった過ちが描かれている。確かにちょっとした出来心でやってしまった行為かもしれないが、若さってのは怖いな。ただ、じゃあその過ちを正すための行為として少年院での日々は許されてはいけないことであり、自業自得とは言え同情は否めない。本当に少年達がかわいそうで、心を揺さぶられる。デ・ニーロがいい味を出していた。

そんな前半部分があってからの後半部分は大人になったパートなわけだけど、前半であれだけ感情移入したわりには浅いというかグッと響くものがなかった。重いテーマなのに浅い。心の傷というのは簡単に拭いされるものではなく、一生トラウマとしてつきまとうというのはわかるのだが、どうもそれが復讐劇に流れてしまうのは納得できないというか。少年時代とはまるで別人の大人に見えるから作品の構造上そう見えるのかもしれない。

個人的にはデ・ニーロの葛藤をもっと描いてくれたらよかったのに、ってのは思った。だって彼の決断はつまり神をも背く行為になる重い結構なのだから。

『告発』では散々いじめられたケビン・ベーコンが逆の立場というのはこの作品通り復讐ということか。ちょっと意味深(笑)
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