こぅ

36時間のこぅのレビュー・感想・評価

36時間(1964年製作の映画)
4.3
「戦争は結婚と同じだ
うまくいきすぎると逆に心配になる」

【大空港】、
【三十四丁目の奇蹟】のジョージ・シートン監督による、
【戦争・スパイ・サスペンス】。


1950年。
アメリカ軍将校のジェファーソン・パイク(ジェームズ・ガーナー)は、同盟国の軍病院内で目を覚ました。
彼は記憶喪失に陥っており、何も思い出すことができない。
ドイツ人医師、ウォルター(ロッド・テイラー)の診断によると、パイクの最後の記憶であるノルマンディー上陸作戦についての詳細を思い出すことが出来れば、深層心理に潜む全ての記憶が蘇るのだという。
しかし…。


イギリスVSナチス。

真偽を確かめるスパイとしてリスボンに飛ぶジェファーソン。

最初のきっかけがご都合主義感はあったが、いざ本題(状況)に一気に導入。

人間は誰しも
こんな状況になれば、錯乱、困惑するだろうというリアリティが観る者を惹きつける。

戦争映画の枠でも、
所謂、戦闘シークエンス は皆無(悲惨な映像が無い)。
ノルマンディー上陸作戦の36時間前の 心理戦 を描いた話で、

アイデアがユニーク(このプロットは結構好みで、'70年代、P・H監督のある有名作品(ヒントを与えた⁈)を想起した。

騙す為の お膳立て がハンパやない‼︎

その ユニークなアイデア 一発勝負で最後まで引っ張る(持たせる)だけかと鷹を括っていたら半ば辺りからは展開も予想に反して転がる構成(脚本)だ。
ナチス内の部下と上司を対立↔︎(しかも終盤機能)させているのも面白い‼︎

ウォルター医師、
上司のオット・シャック(ウェルナー・ピータース)、
ヒロインのアンナ(エヴァ・マリー・セイント)、
助っ人⁈エルンスト(ジョン・バナー)、
各主要キャラ立ちが抜かり無く、
特に終盤短い出番ながら、ちゃっかりしているエルンストのおっちゃん には、個人的に 助演男優賞 を授与したい‼︎

ジェファーソンが見破った
反撃の糸口となる小さい ◯口伏線 にも あぁ‼︎ と唸る事必至⁈

拷問パートには説得力皆無⤵︎

クラシック調の劇伴がユニーク。


ラストの
車のドアガラス越し、2人のショットも良き。


総評:
駆け引き(敵↔︎味方)、二転三転、逃亡、と終始緊迫感持続。
そんな中で緩急も忘れず、且つ 友情 も描かれるのが良い。
下手に ラヴ要素 入れない代わりに邪魔にならない程度の ユーモア を入れているのにも加点。
2時間弱も無問題のアイデア勝負+αな与太話として文句なしの誰でも楽しめるエンタメ良品‼︎
◯◯時間というタイトル作品にハズレなし⁈
⚠️メインプロット(仕掛け)はネタバレ厳禁🚫⚠️


ビンタレベル★★★★☆
こぅ

こぅ