こぅ

パッションのこぅのレビュー・感想・評価

パッション(2012年製作の映画)
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先日鑑賞したアラン監督の【ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて】をリメイクした、ブライアン・デ・パルマ監督による、
【エロティック・復讐・サスペンス】。


クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)は、野心を隠さず、狡猾さと大胆な行動で国際的な広告会社の重役へと登り詰めた。
アシスタントであるイザベル(ノオミ・ラパス)は、当初は憧れを抱いていたが、手柄を奪われ、同僚の前で恥辱を受け、彼氏には裏切られ、
それらすべてをクリスティーンが裏で糸を引いていたと知った時、殺意が芽生え、遂に殺害を決意する…。


★脚本/変更点
冒頭、
仲良さげなビジネスパートナーのクリスティーンとイザベル。
本家と同じシチュエーション。
展開もアメリカ産だと分かり易く、スマホを使って洗練もされている。

ジャンルの提示としては、ある展開から本作の性質上、鮮明にはされないが、単なるドラマ/コメディとは違うというムードは明らか。
それも本家と一緒。
イザベルの助手は、性別が男→女、ダニ(カロリーネ・ヘルフルト)に変更されていた。
その意図は、現時点では不明。

中盤までは、本家に忠実に沿っている。
が、イザベルのクリスティーンから受けた屈辱感は本家より増していて=復讐/反撃の説得力を生んでいる。

本題である、
犯行には、2箇所の同時進行を映す長めのスプリットスクリーンの活用。
イザベルの眼のアップ、これは、個人的に ダリ男的/ホラー的 な効果を認めた。

犯行後のアプローチは、
大胆に本家と変えてきた。
本家一番のオリジナリティ/見どころだった 倒叙式 を排除=ミステリー要素が入るのだ(難点としては本家 一番の個性 が消えた)。

伏線となるキャラやアイテムにも抜かりなし。

ご都合主義もあるが、
追加した要素やキャラ変したのがドキハラクライマックスに結実する。
結果、
ラストの着地/印象も変わってきている。


★総評
結論から、
リメイクでも全く一緒とか下手に改変して失敗リメイクが多い中、
本作は稀な良好リメイク!!
ブライアンの改変した脚本が成功している!
他もこんなリメイクならお願いしたい。

勿論、本作のみでも 観易く充分楽しめるが、
新旧SETならまた 別種 も楽しめる。
順番は、本家先 の方が改変/仕掛けを より実感 出来るだろう。
中盤までは大人しくしていたが、
以降は、デ・パルマ ワールドの独壇場!

クライマックスの撮影では、
カラーでもモノクロのような陰影や劇伴がフィルムノワールを意識/リスペクトしている。
締めは、
あ〜、ニヤリとさせられる監督らしいサービス⁈有り。

メイン2人(レイチェルはノオミには敵わないが)に華があり、アメリカナイズに、若干 エロ を加味してリブートしたブライアン流ラヴ・サスペンス。


*オマ毛
レイチェルネタ
https://youtu.be/18QtDN8HFVA?si=fLkRu27FFTotYQtT
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