このレビューはネタバレを含みます
「私、あんたらキライなんよ、いつも前向きで・・・。」
田中麗奈が全く無名の頃、映画館でこの作品の予告をたまたま観た。
切ない音楽と輝く海の風景、部活仲間と必死にボートを漕いでいる姿。
そんな予告が終わるまでの数分間、なんだか涙が溢れて溢れて止まらなかった。
そして映画本編を観たとき、あの日と同じく止まらない涙は、オープニングからエンドロールまで溢れ続けた。
海辺の街の小さな小さな世界で、小さな目標に全力で没頭している姿は、とても純粋で、熱い。
自分が十代だった頃を振り返ると、今思えば小さな世界や目標も、確かにあの頃はデッかくて大きかった。
部活に全力をかけている真っ直ぐな姿を見て全力で頑張ってなかった十代の自分を少しだけ後悔した。
もっと出来た事は沢山あったハズだ。
人生は後悔の積み重ね。
社会で良いも悪いも経験し、いろいろ乗り越えて大人になった人には、純粋な「がんばっていきまっしょい」の掛け声がストレートに突き刺さるだろう。
本当にいつまでも忘れたくない大切な作品の1つ。
「今日のあんたら好きよ。できたら一緒にボートに乗って叫んでみたい・・・。」