たつなみ

蘇える金狼のたつなみのレビュー・感想・評価

蘇える金狼(1979年製作の映画)
4.0
”ダークヒーロー“松田優作のカッコよさを十二分に堪能出来る作品。
風吹ジュンや千葉真一、チョイ役で岩城滉一まで出ていて超豪華キャストだが、彼らですら優作の存在感を際立たせているに過ぎない。
それ位松田優作がこの作品を完全に支配している。

優作演じる朝倉哲也が次々とのし上がって行く姿がとにかく痛快で面白い。
まるでマンガのようなストーリー展開だが、松田優作だからこそ全く不自然に感じない。
朝倉の勤める会社の社長や重役がまるでショッカーみたいな悪の組織として描かれているところは笑える。
ヘロインを牛耳る市会議員の磯川なんてまるで兵藤会長だし。

ド派手なカースタントや爆破シーンに加え、ベッドシーンでちゃんとオッパイまで観せてくれる所は往年の角川映画ならでは。
ラストの「ジュピターには何時に着くんだ?」というセリフといい、終わり方までいちいち松田優作らしくてカッコいい…。

この作品を観ただけでも松田優作という俳優の大きさを実感できる。
色々と彼の作品を観てみたくなった。