嫌な夢を見る。うまくはないがへたというわけじゃない守っている三塁の側を次々と通り過ぎる。やがて打つ番になる。長打になって回るといつの間にか誰も居なくなりホームベースがない。帰る場所を失くして走り続けるしかなく遂にへたばってしまう。
婦女暴行に窃盗と殺人。静思寮とかいう名の独房。紙飛行機を折って投げる。手錠をつけて移送中に交差点で止まり車の中を覗き込む人たちの目。ラジオ体操でひとりだけ反対の動き。塗り潰しても消えない罪。赦しのない生き苦しさ。特徴及び褒めるところがない時は睫毛の長さ。生命の危険以外を心配できるという有り難み。眉間に深いしわを寄せて睨んでいる自分の顔。ど真ん中から耳の方へ頭髪を刈っていく。まだ若いから。
お金が欲しいから私たちの体を売ればいいんじゃない。本を敷いた物陰。現像の赤い暗室。制服の上は着たまま下だけ脱いで練習。痛いんだもん。つまんないの。お腹すいたあくすぐったあい。しょんべん臭いよ。横乳を垂れていく体液。スタイリストになりたいテニス部と女優になりたい新聞部。白スーツ刺青男の頭をかち割って悲鳴を上げさせ裸のまま連れ出して逃げる。好きな人ができたお嫁に行っちゃった。裏切る以前に一度も仲間だとは言っていない。
